むしろデザイナー以外の人に読んでほしい、デザインの話。『たのしごとデザイン論』
【ほんをうえるプロジェクトのイチオシ】

ほんをうえるプロジェクト
たのしごとデザイン論 クリエイターが幸福に仕事をするための50の方法論。
たのしごとデザイン論 クリエイターが幸福に仕事をするための50の方法論。
著者
カイシトモヤ/著
出版社
エムディエヌコーポレーション
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身の回りにある「デザイン」についてちょっと考えてみてください。洋服、文房具、食器、家具、会社のロゴマーク、ポスターやチラシ……挙げはじめたらキリがないほど、私たちの生活は「デザイン」で溢れています。また「商品でなく体験を売る時代」と言われるようになり、コンセプトやメッセージをより感情に訴えかけるツールとしての「デザイン」の価値もますます高まってきているように感じます。

一方で、「デザイン」という言葉に対してなんとなく敷居が高い・自分は専門外だ・そんなもの必要ない……と壁を作ってしまっている方も多いのではないでしょうか。本書は「デザイン論」というタイトルに正直あまり惹かれなかった方にこそ、読んでいただきたい1冊です。

著者のカイシトモヤさんは現役のグラフィックデザイナー。広告プロダクションを経て独立後、企業のロゴやブランディング、CDジャケットやポスターなど数々のデザインを手掛けてきました。
本書は「デザインって何?」「デザイナーって何をしているの?」という基礎的な定義づけから始まり、彼自身が仕事をしていく中で感じたこと、上手なコミュニケーションの取り方など、後輩デザイナーへのアドバイスのような実務的なページも充実しています。
ポイントは文章がとても平易であること。専門用語を全く使わないのではなく、用語の解説や概念の定義づけをしてから本題に入ってくれるので、これまでデザインを勉強したことがない人でも抵抗なく読み進めることができます。デザイナーが読むと基礎知識をおさらいしつつ新たなヒントを見つけることができ、そうでない人が読むと「こんなことを考えながらデザインしていたんだ!」「身の回りにあるデザインは、こういう視点の元につくられているんだ!」とデザインというものをぐっと身近に感じられる、そんな内容です。

こうしてデザイナーの視点を知ると、彼らはただ単に見た目を整えたり装飾を施したりしているのではなく、きちんと文脈をもって意味のある色や造形を制作物に落とし込んでいることがよくわかります。
冒頭で挙げた身の回りにあふれている「デザイン」一つ一つにもメッセージが込められていると思うと、なんだか世界の見え方が変わってくる気がしませんか。
そうして誰かが作った視覚的なイメージからきちんとその意図をくみ取れるようになると、きっとご自身のコミュニケーションにも良い変化が現れますよ。
本書を読んでもっとデザインについて知りたい、自分でもデザインをしてみたいと思った方には、同著者の『How To Design いちばん面白いデザインの教科書』をおすすめします。

ほんをうえるプロジェクト 長澤麻央

「ほんをうえるプロジェクト」とは?

植物に水をやってゆっくりと育てるように、本ももっとていねいに売っていこうと、出版総合商社トーハンがはじめたプロジェクトです。新刊やベストセラーに限らず、独自の手法で良書を発掘し、本屋さんにご提案しています。同じ趣味をもった方同士がつながれる、「 #好きな本を語ろう 」というコミュニティを運営中です。ぜひご参加ください!

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公開日:2017/09/15
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